現在、「文字起こしツール」は、会議や授業、動画字幕作成などで広く導入されています。もはや日常業務の効率化に欠かせないAIツールになっています。中でも注目を集めているのがたくさんあります。
今回は、人気の「Notta(ノッタ)」と「Gemini(旧Bard)」を解説いたします。この2つのツールどちらも高性能で人気がありますが、日本国内で使う際に気になるのは「日本語の対応」、「無料版の制限」、「セキュリティ」、「文字起こしの精度」など現場で重要なポイントです。
この記事では、実際に使ってみた感想をもとに NottaとGeminiを分かりやすく比較していきます。日本語の対応、無料版の制限、議事録作成、使いやすさ、セキュリティ、文字起こしの精度まで完全に解説します。
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NottaとGemini文字起こしの基本比較
まずは、NottaとGeminiの特徴を一覧で比較してみましょう。この2つツールの違いをサッと確認したい方は、この比較表はお役に立ちます。
| 項目 | Notta | Gemini(Google) |
| 対応言語 | 日本語、英語、中国語、韓国語など58言語に対応 | 日本語をはじめ100以上の言語に対応 |
| 文字起こし | リアルタイム録音ファイルアップロード対応 | マイク入力音声ファイルアップロードYouTubeの動画のURL |
| 議事録生成 | AIが自動で議事録を作成 | AIによる議事録を自動で作成 |
| セキュリティ | SSL暗号化国際セキュリティ認証のSOC2認証報告書サイバーセキュリティ・コンプライアンス・フレームワークISMS国際標準規格「ISO 27001」認証を取得 | Googleセキュリティ基準で保護 |
| 無料プラン制限 | 120分/月まで | 処理時間や回数に制限がある |
| 精度(日本語) | 98.86%以上(業界最高水準) | 95%以上(文脈依存あり) |
NottaはAI文字起こし・議事録作成に特化したツールで、録音・アップロードするだけで自動的に高精度な文字起こしを行います。特別な操作は不要で、会議や取材現場ですぐ活用できます。それに、「リアルタイム翻訳」をオンにすると、発話言語を即時に他の言語に翻訳できます。海外業務に最適!
一方、GeminiはAIチャットボット型で、プロンプトを与えて文字起こしや議事録生成を行う仕組みです。つまり、「文字起こし」、「議事録作成」、「翻訳・要約」、さらに「どんな形式で出力したいか」までを自分で指定できる自由度があります。ただし、Nottaのように「リアルタイム文字起こし」「「リアルタイム要約」「リアルタイム議事録作成」シンプルさはやや劣ります。
Gemini文字起こしの特徴と使い方
Geminiとは?
GeminiはGoogle DeepMindが開発した次世代AIで、旧「Google Bard」から進化したモデルです。文字起こし、テキスト生成、要約、翻訳、画像や動画の内容理解・解説、Googleサービスとの連携など、様々なことができます。
Geminiの主な特徴
- マルチモーダル対応:テキスト・音声・画像などを同時に解析
- 高い推論力:文脈理解や専門分野にも強い
- Googleサービスとの連携:Google Meet 、Gmail、ドライブ、カレンダー、マップなどとの統合
- カスタムAI「Gems」:個別アシスタントを設定可能
- セキュリティ基準:Googleクラウド基盤で保護
- 複数言語に対応: 日本語、英語など100以上の言語に対応

Gemini文字起こしの特徴
Geminiで指令を利用して、音声ファイルの内容をテキスト化することができます。そして、AIにより、会議の議事録も自動的に要約・作成できます。
Geminiで文字起こしの場合は、以下の特徴があります。
高精度な音声議事録の自動生成
Geminiでは、会議や商談などの音声データをアップロードするだけで、発言内容を高精度に文字起こしし、自動的に議事録を生成できます。
音声・動画ファイル形式に対応
MP3 / WAV / M4A / FLACなどの音声ファイル、MP4 / AVIの動画ファイルに対応します。録音データだけでなく、動画からも直接文字起こしを行うことができます。
Geminiの文字変換精度が高い
GeminiはAI言語モデルが音声内容を理解しながら最適な文章を生成することができます。
話者識別機能で会議にも最適
「話者を識別して出力してください」のような指令を送ると、Geminiは複数人が話す会議音声でも発言者ごとにテキストを分けて出力できます。誰がどの発言をしたのかが明確にわかり、議事録作成の手間を大幅に削減できます。
処理速度が速い
Geminiで音声の文字起こしの処理速度も非常に高速で、10分程度の音声なら数分以内で文字起こしが完了します。
Gemini文字起こしの使い方(日本語精度を検証)
Geminiを使った文字起こしは、音声ファイルを準備 → アップロード → 確認・保存の3ステップで完了します。
ソフトのインストールや複雑な設定は不要で、誰でもすぐに使い始められます。
ここからは、Geminiを使って文字起こしのステップを詳しく説明していきます。
ステップ1:音声/動画ファイルを準備する
まずは、文字起こししたい音声/動画ファイルを準備しましょう。
ステップ2:音声ファイルをGeminiにアップロードする
①Geminiのチャット画面で「➕」アイコンをクリックして「ファイルをアップロード」を選択します。

②音声ファイルを選択してアップロードします。
③プロントを入力して送信します。

tip: Geminiに「要約して」「箇条書きで出して」など指示することで、議事録形式・要約・翻訳など自由に調整できます。
ステップ3:文字起こし結果を確認・編集・保存する
アップロードが完了すると、GeminiがAIで内容を解析し、テキスト化を進めます。しばらくして、文字起こしが完了すると、Geminiが変換結果をテキスト形式で出力します。

もし、調整したいところがあった場合は、Geminiに「この部分を修正してください」、「内容を要約してください」、「分析してください」などの指示をすれば、AIが再解析して正確に修正してくれます。

Geminiのセキュリティは?【安全性を検証】
Geminiは、仕事や日常生活を効率化してくれる非常に便利な生成AIですが、その一方で「データ収集・保持」「情報漏えい」「不正アクセス」といったセキュリティリスクがあると思いますか?
GeminiはGoogleのセキュリティ基準で保護されており、データはすべて暗号化・匿名化処理されます。Geminiの安全性については以下のポイントを確認しましょう。
- Geminiアクティビティを無効化してデータを学習に使わせない
- 定期的にデータ削除を行う
- データ保持期間を短縮し、不要な情報を残さない
- 二段階認証の設定でアカウントを強化する
Geminiをより安全に利用できるようになるために、まずは、自分のGoogleアカウント設定を見直し、プライバシーを守りながら安心してAIを使いこなしましょう。
Gemini文字起こしの制限と注意点【無料ユーザー向け】
Geminiは無料版でも、基本的な文字起こし機能はしっかり利用できます。
制限はあるものの、日常的な会議記録や講演の文字起こしには十分対応可能です。

Gemini無料版でできること
- 音声ファイルのアップロード(最大25MB)
- YouTube動画の文字起こし
- 多言語対応(日本語も含む)
- 基本的な要約機能・議事録作成機能
無料版は、個人利用・小規模なチーム利用に最適です。日常的に会議メモを取りたい人、YouTube動画を要約したい人には十分なだと思います。
Geminiの有料版では、より高性能なモデルを利用でき、無料版では制限されていた機能が大幅に拡張されます。特に、長文処理・データ分析・マルチモーダル対応 といった高度なタスクにも対応できるのが大きな特徴です。
Geminiの価格プランは以下のようです。

* Google AI Proは、1か月間の無料トライアルが用意されています。
Nottaの概要・特徴を紹介
Nottaは、音声認識に特化した専用の文字起こしAIツールです。AIとチャットではなく、リアルタイム、録音・アップロードするだけで自動的に文字起こしと議事録生成ができます。
Nottaの特徴
- 認識精度98.86%以上の高性能AIエンジン
- 自動議事録生成・要約・タグ付け機能付き
- リアルタイムで発話言語を翻訳できる
- Zoom / Google Meet 連携でオンライン会議に最適
- AES-256暗号化でセキュリティも万全
- 無料版でも月120分まで利用可能
Nottaは、ビジネス会議・授業・インタビューなどの実務向けツールとして最適です。
NottaとGeminiの使い分け方【目的別おすすめ】
GeminiはGoogle Mail、カレンダーだけでなく、Google Meet でも Gemini を活用できるようになります。組織の会議で重要なポイント、定事項などをリストアップして他の参加者が話した内容をまとめたりすることができます。そして、Geminiの自然言語理解が強力で、AI要約・議事録整理分野も得意です。
一方、Nottaは日本語の精度・セキュリティ・共有機能すべてにおいて優れており、ビジネスや教育現場での正式な議事録作成に最適な選択肢といえます。
| ツール | 目的別おすすめ |
| Notta | 高精度な日本語文字起こしを求める |
| セキュリティ・ビジネス用途重視 | |
| 長時間の会議録音 | |
| Gemini | Chrome上で手軽に使いたい |
| 無料で短時間の会議を記録したい | |
| AI要約・議事録整理 | |
| 無料で短時間音声を処理 |
最後に
今回は、人気の文字起こしAIツール「Notta」と「Gemini」を、実際の使用感をもとに比較してみました。どちらも非常に優秀ですが、使う目的によっておすすめが変わります。
日本語の精度やセキュリティを重視するなら「Notta」が最適です。ビジネス会議や講義録、取材の文字起こしにも安心して使えます。それに、翻訳機能が付いて、海外商談でもリアルタイム翻訳できます。
一方でAI要約やGoogleサービスとの連携を重視するなら「Gemini」が便利です。無料でも基本的な文字起こし機能を使えるため、個人ユーザーには十分実用的です。
もしあなたが日常の会議記録や取材メモをもっとスムーズにしたいなら、まずは「Notta」と「Gemini」の無料版を試してみるのがおすすめです。
よくある質問FAQ
Q1. Geminiは無料で文字起こしできますか?
A: はい、無料版でも基本的な文字起こし機能を利用できます。音声ファイルのアップロードやYouTube動画の文字起こし、要約機能などが使えますが、ファイルサイズ(25MBまで)や利用回数に制限があります。長時間の会議録音などを扱う場合は、有料版を検討すると良いでしょう。
Q2. Geminiで対応している音声ファイル形式は?
A: Geminiは MP3、WAV、M4A、FLAC の4つの主要な形式に対応しています。これ以外の形式を使用している場合は、無料の音声変換ツールを使って対応形式に変換してからアップロードしてください。
Q3. Geminiで生成された文字起こしを商用利用してもいいですか?
A: 基本的に、ユーザーが自分でアップロードした音声の文字起こし結果は自由に利用できます。ただし、YouTubeなどの第三者コンテンツを扱う場合は、著作権に注意してください。
