AI技術が急速に進化するなか、仕事や日常生活、さらには学習の場面でも、AIを活用するケースがたくさんあります。特に仕事では、会議の内容を自動で記録してくれる議事録AIの存在が欠かせなくなりつつあります。手作業でメモを取る必要がなく、会議内容を文字起こしたり、要約したりすることができます。
とはいえ、AI議事録作成ツールで最も大事なのは「会議内容の正確さ」と「長時間の作業」、そして「データ管理の安全性」です。
日本で人気の Notta と tl;dv はどちらも高機能ですが、用途によって向き不向きがあります。今回はこれら2つのAIツールを、機能・操作性・価格・安全性などを徹底比較してみます。どっちの議事録作成ツール選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
Notta ― リアルタイム文字起こしに強い日本語特化ツール
Nottaは、会議や商談の音声をリアルタイムに高精度で文字化できるAI議事録ツールです。リアルタイム文字起こし機能で会議中に即座に内容を確認できます。また、日本語に強く、自動校正・要約・タグ付け・発言者識別まで自動で行える点が特徴です。
そして、リアルタイムで文字起こしだけでなく、録音・録画・ファイルアップロードすると、テキスト化にも対応します。ブラウザ、iOS/Android、Chrome拡張など、さまざまなデバイスに対応しております。
Notta の主な特徴
- 高精度AIによるリアルタイム文字起こし
- Web会議の録画が可能
- AI要約・タグ付け・発言者識別
- 録画・録音、音声ファイルアップロードに対応
- 翻訳・多言語文字起こし
- チームワークスペースでの共有管理
- TXT / PDF / DOCX / SRT など多形式でのエクスポート
- 日本語対応
- カスタム単語登録で専門用語にも対応
Nottaを体験する
次はNottaを実際に使って体験します。
まずは、Notta公式サイトにアクセスします。「Nottaを始める」ボタンをクリックしてアカウントを作成してNottaを導入します。
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「Web会議の文字起こし」機能を選択します。
以下の画面では、Web会議の招待URLを入力して、ミーティングの音声を自動的に文字起こします。
筆者は現在会議がないため、Nottaのリアルタイム文字起こし機能を試してみました。実際にリアルタイムで文字起こししたデータは、比較的正確でした。
tl;dv ― Web会議録画＆検索に便利なオンライン議事録ツール
tl;dvは、主に Zoom / Google Meet / Microsoft Teams などのWeb会議を録画・録音し、自動で文字起こしを行うAIノートツールです。会議の内容をAIで要約してくれるほか、タイムスタンプ付きメモやキーワード検索が便利で、内容を素早く振り返りたいときに役立ちます。
また、データはGDPRに準拠し、暗号化されて保存されるため、セキュリティ面も安心です。
tl;dvは、録画・文字起こし・要約など、基本的な機能は無料で利用できるのが特徴です。無料プランでも業務に十分な機能が備わっているため、個人や小規模なチームに最適です。
tl;dv の主な特徴
- AIによる要点抽出・タグ付け
- 30以上の言語で自動文字起こし
- 会議録画・録音に対応
- キーワード検索で該当箇所へジャンプ
- Zoom / Google Meet / Microsoft Teamsと連携
- タイムスタンプ付きメモが便利
- テープ起こしやビデオ録画が無制限で無料
tl;dvを体験する
次はtl;dvの使い方をご紹介します。
まずは、tl;dvの公式サイトにアクセスして「tl;dvを入手 永久無料」をクリックします。
Google、MicrosoftまたはSSOのアカウントを利用してtl;dvにログインします。
画面指示に従って、権限設定を行ってください。「無料で入手する」ボタンをクリックすると、tl;dvのデスクトップアプリをダウンロードすることができます。
tl;dvのホーム画面で「今すぐ録画」をクリックすれば、会議の内容を録画して文字起こしすることができます。
また、音声/動画ファイルをアップロードしてプロンプト入力欄で会議の会話を文字起こしたり、整理したり、要約したりするなどのプロンプトを入力して「Ask tl;dv AI」をクリックすると、AIが質問に対する回答を出力します。
Notta vs tl;dv 基本機能の比較表
以下はNotta vs tl;dv 基本基本機能の比較表です。
| 項目 | Notta | tl;dv |
| 無料試用 | あり | あり |
| 料金プラン | フリー：0円プレミアム：1,185円/月（年）ビジネス：2,508円/月（年）エンタープライズ：要相談 | フリー：0円Pro：3,080円/月 ~（年）ビジネス：5,599円/月 ~ （年）Enterprise：要相談 |
| 対応デバイス | Mac・WidowsiOS・AndroidChrome 拡張 | Mac・WidowsiOS・AndroidChrome 拡張 |
| 文字起こしの提供 | 120分/月（無料） | 無制限（無料） |
| リアルタイム文字起こし | ○ | × |
| 話者認識 | ○ | ○ |
| Web会議連携 | Zoom / Teams/ Google Meet/ Webex | Zoom / Teams / Google Meet |
| 自動文章校正 | ○ | × |
| ビデオ録画 | 無制限（ビジネスプラン以上） | 無制限 |
| 同時会議録画 | × | ○ |
| ファイル文字起こし | 多形式に対応 | mp4 / mkv / mo |
| AI要約 | 要約・チャプター・行動項目・テンプレート機能 | 要約・検索・タグ付け |
| ノート内でのメンション機能 | × | ○ |
| 翻訳 | 42言語 | 30言語 |
| 単語登録 | ○(日本語専用のカスタム単語登録機能) | × |
Nottaとtl;dvを比較する6つのポイント
ここからは、実際の使用感や機能の違いを踏まえ、6つのポイントで比較します。どの点に注目すれば、自分のニーズに合ったツールを選べるか明確に分かります。
①：リアルタイム文字起こしの有無（日本語精度）
Nottaはリアルタイム文字起こしが可能で、会議中に即座に内容を確認できます。
一方、tl;dvはリアルタイム文字起こし非対応で、会議の文字起こしデータの確認や編集ができません。
それに、Nottaは日本語に特化したため、文章が読みやすく、手動編集の工数が大きく削減できます。
②：チームでの音声データ管理
Nottaはチームワークスペースを備え、ファイル共有、アクセス権限管理、操作ログ管理
が可能で、複数人での会議データ管理や共同編集に最適です。
tl;dvは録画・録音・AIノートなどを共有できますが、メンバー間でのファイルアクセスや管理ができません。
③：カスタム単語登録で精度向上
Nottaには「カスタム単語登録」機能があり、あらかじめ専門用語、業界用語や社内固有の名称を登録すれば、文字起こしの精度を大きく高められます。長時間会議でも効率的です。
一方、tl;dvにはこの単語登録機能がありません。そのため、専門性の高い会議内容や業界特有の言い回しが多い場合、誤変換の可能性があります。特に長い固有名詞や英数字の混ざった言葉は、誤変換されやすいです。
④：より多くのWeb会議ツールをサポート可能か
複数のWeb会議ツールを使い分ける場合、対応範囲の広さは重要です。NottaはZoom、Google Meet、Microsoft Teamsと連携し、カレンダー連携や議事録共同編集なども可能です。
一方、tl;dvは連携できるサポートツールが限られているため、チームでの共有やフローの効率化という面では少し物足りなさを感じる場面があります。
⑤： 価格での比較
tl;dvとNottaの有料プランは以下の表をご覧ください。
Nottaはプレミアム、ビジネス、エンタープライズのプランが揃っており、最低1,185円/月でtl;dvに比べてコストパフォーマンスが高いです。
また、tl;dvとNottaの両方に無料版があります。Nottaの無料版は毎月120分の文字起こしを利用できます。1回につき3分までの制限が付きます。tl;dvはテープ起こしやビデオ録画が無制限で無料で利用できます。
| 項目 | Notta | tl;dv |
| 無料試用 | あり | あり |
| 料金プラン | フリー：0円プレミアム：1,185円/月（年）ビジネス：2,508円/月（年）エンタープライズ：要相談 | フリー：0円Pro：3,080円/月 ~（年）ビジネス：5,599円/月 ~ （年）Enterprise：要相談 |
⑥：tl;dvとNottaの 信頼性と安全性
Nottaは、2022年にサービスのセキュリティおよびプライバシーに関する内部統制を対象として、SOC2認証報告書 を取得しています。
SOC2（Service Organization Control Type 2）は、米国公認会計士協会（AICPA）が策定したサイバーセキュリティ基準で、国際的にも高い信頼性を持つ認証です。
tl;dvは、ユーザーのデータ保護を最優先に設計されており、GDPRやSOC2などの国際基準に準拠しています。すべてのデータはヨーロッパ内でホスティングされており、高いセキュリティ環境で運用されています。
tl;dvとNottaは、どちらも高い信頼性と安全性を備えたツールです。
最適のAI議事録作成ツールはどっち？
Nottaに向いている人
- リアルタイム文字起こしですぐに会議内容を確認したい人
- チームで音声データを共有・管理したい人
- 日本語に対応したインターフェースで操作したい人
- 専門用語や固有名詞を高精度に認識してほしい人
- 多くのWeb会議ツールと連携したい人
- コストを抑えて効率よく使いたい人
日本企業が開発する Notta は、日本語インターフェースやカスタム用語登録、日本語特化の精度の高さによって、操作性・共有性・コスト面で優れています。
特に 日本語の会議が中心のチーム や日本語を使うメンバーが多い企業 に最適です。
tl;dvに向いている人
- 個人または小規模チーム
- 予算がなく、できるだけ無料で使いたい人
- 専門用語が多くない会議を扱う人
tl;dv は無料プランが非常に強力で、無制限の録画・文字起こし・AI要約機能を備えており、コストゼロで使える点が大きな魅力です。
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まとめ
今回はNottaとtl;dvの特徴機能、料金、使いやすさなどを徹底的に比較しました。
Nottaは高精度なリアルタイム文字起こしとAI要約、多言語対応が特徴で特にビジネスや国際会議に役に立ちます。
一方でtl;dvの無料プランでは録画、文字起こしなど主な機能を利用でき、個人または小規模チームに最適です。
どちらも無料版も備わっているため、文字起こしツールの選択で悩んでいる方はぜひ試してみてください。
